相続税申告の期限
1 相続税申告と提出期限
相続税とは、亡くなった人(被相続人)の財産を相続した際に、その財産額に応じて相続人が支払う税金です。
この相続税を税務署に申告・納税するためには、法律で定められた期限内に手続きを完了しなければなりません。
期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税などのペナルティが発生することもあるため、正しい知識をもって対応することが非常に重要です。
2 相続税の具体的な申告期限
相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。
たとえば、2025年1月1日に死亡した場合、その翌日である2025年1月2日から数えて10か月後の2025年11月1日が申告期限になります。
ただし、その日が土日祝日の場合は、税務署の翌営業日が期限となります。
3 相続税申告が必要なケース
すべての相続において相続税申告が必要なわけではありません。
相続税の計算の際には、基礎控除額の金額が非常に重要であり、相続財産がその金額を超えた場合にのみ申告義務が発生します。
基礎控除額は、3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)、という計算式で算出できます。
例えば、法定相続人が3人の場合であれば、 3,000万円 +(600万円 × 3)という計算式に従い、4,800万円が基礎控除額となります。
この4,800万円を超える遺産がある場合、相続税申告が必要になります。
4 相続税申告の手順
また、相続人の確定を行う必要があります。
すでに説明したように基礎控除額の計算のためにも、分割協議の前提のためにも非常に重要なことです。
具体的には、出生から死亡までの被相続人の戸籍謄本を調査し、法定相続人を確認することになります。
本籍が移動している方であれば、その本籍地を管轄する市町村役場で保管されている戸籍を確認する必要があります。
次に、遺産の調査と評価を行う必要があります。
土地、建物、預貯金、有価証券などの遺産を洗い出し、時価で評価する必要があります。
特に、土地の時価は、相続税評価額で計算する必要があり、残さん基本通達に従い計算しなければならないので、時間がかかることもあります。
また、債務(借金など)や葬式費用は、相続税の計算の際には、遺産の総額から差し引き計算します。
相続人が確定し、遺産の確定もできれば、分割協議を行い、相続人同士で財産の分け方を決めます。
上記の事実関係をもとに、相続税申告書の作成し、被相続人の住所地を管轄する税務署に提出します。
相続税の納付が発生する場合には、納付の期限が申告期限と同じく、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に納付が必要であることにも注意が必要です。
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