「相続税対策」に関するお役立ち情報
相続税対策にタンス預金は有効か
1 タンス預金は相続税対策に有効ではない
相続税対策にタンス預金が有効か、という問いに対する答えとしては、有効ではないと言わざるを得ません。
タンス預金をするということは、相続税申告の際にタンス預金の分を遺産に含めずに申告し、その分の相続税を免れようとするものであり、明確に脱税であるといえます。
もちろん、脱税は犯罪であり、言うまでもなく犯罪を勧めるものではありません。
また、タンス預金は税務調査の対象となり、見つかると多額の追徴課税として、余計に相続税を納めなければならなくなります。
2 タンス預金のデメリット
そして、タンス預金にはいくつものデメリットがありますので、その点からもお勧めすることができません。
まず、タンス預金は、現金をそのまま保管するものですので、現金が、火災や地震、洪水などの災害で消失するリスクがあります。
火災保険や地震保険では、現金は保障の対象外なため、燃えてしまったり洪水に流されてしまったりしても、補償されません。
一方、銀行に預けておけば、仮に災害にあったとしても預金は保護されますし、通帳が燃えたとしても再発行してもらうことが可能です。
次に、タンス預金は空き巣や強盗などの盗難にあうリスクもあります。
さらに、タンス預金を始めてから長時間たつと、置いた(又は始めた)本人も現金を置いた場所を忘れてしまい、自分でも気づかないうちに現金を捨ててしまったりすることがあります。
のみならず、タンス預金を家族にも隠している場合、本人が死亡した時に、遺族がそれを知らずに隠していた家具や金庫ごと処分してしまうというリスクもあります。
タンス預金の多くは秘密裏になされていますので、遺族にも知られずに捨てられて、貯めたお金が消えてしまうリスクは常に伴うことになります。
そして、タンス預金が遺産相続のトラブルを招いたり、遺産相続手続きが終わった後に発見されて、遺産分割をやり直したり、相続税の修正申告が必要になる場合もあります。
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