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相続税のお悩みは税理士へ

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年6月5日

1 相続税のお悩みは税理士へ

相続税のお悩みといえば、相続税を支払う必要があるのか、いつどのように支払うのか、期限に遅れたときはどうなるか、遺産分割協議が長引くときはどうするか・・といったことが挙げられます。

相続税は、相続人自身でも申告・納税が可能ですが、調査や専門的知識が必要であるため、お悩みがあれば、専門家である税理士に相談するのがよいでしょう。

また、税理士といっても相続税の経験が豊富であるとは限らないため、その税理士の得意分野が何であるかを確認して依頼するのがよいでしょう。

2 相続税は支払う必要があるのか

相続税は、亡くなった方の財産を受け継いだ方が支払うこととなります。

ただし、相続税の基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)の範囲内であれば、相続税がゼロで、申告する必要がありません。

これに対し、基礎控除を超える場合には、相続税の申告と納税が必要となります。

また、納税額が0円となる場合であっても、小規模宅地等の特例や、配偶者の税額軽減などの制度を利用するのであれば、申告する必要があります。

3 相続税はいつどのように支払うのか

相続税は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に申告・納付することとなっています。

相続税は、一括で現金で支払うのが原則です。

4 申告・納付期限に遅れるとどうなるのか

相続税の申告・納付を適正に行わなかった場合、無申告加算税(期限内に申告をしなかった場合のペナルティ)、延滞税(納税を延滞した場合のペナルティ)、重加算税(意図的に相続税を操作したと判断された場合のペナルティ)が課せられる可能性がります。

このようなペナルティがあるため、期限を意識してしっかり進めていく必要があり、やはり税理士に依頼することをおすすめします。

5 遺産分割協議が長引くときはどうするか

遺産分割協議が長引くと、申告期限に間に合わないことがありますが、そのような場合は、いったん法定相続分で申告・納付をし、あとから更正の請求(税金の還付を受けるための手続き)で納めすぎた税金を取り戻す方法があります。

この場合は、申告期限後3年以内の分割見込書を提出しておくと、申告期限後3年以内に遺産分割がまとまれば、小規模宅地等の特例などの適用も受けられるようになります。

詳しく知りたい方は税理士へご相談ください。

相続税の申告が必要となるケース

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年9月13日

1 相続税の申告が必要なケースが増加しました

相続税は遺産全体にかかるわけではありません。

遺産の総額から、基礎控除額を差し引いた金額にかかります。

そのため、相続税というと、「お金持ちの家の話だから、うちには関係ない」という印象を持つ方は少なくありません。

その理由としては、平成26年末までの基礎控除額が、「5000万円+(1000万円×法定相続人の数)」だったからということが挙げられると思います。

しかし、法律改正により、平成27年1月1日以降は、基礎控除の計算式が「3000万円×(600万円×法定相続人の数)」となりましたので、相続税が課税される対象が大幅に増加することになりました。

例えば、法定相続人の数が1人のケースでは、改正前は基礎控除額が6000万円だったのに対し、改正後は3600万円まで引き下げられたということになります。

今では、3000万円以上の財産があれば、相続税が課税される可能性があります。

この3000万円には、預貯金だけでなく、不動産や死亡保険金等も含まれるため、マイホームをお持ちというだけで、相続税が課税される可能性があることが分かると思います。

2 相続税申告が必要かどうかのライン

上記で、3000万円以上の財産がある場合に相続税が課税される可能性があると申し上げましたが、実際には、例えば4000万円の財産を持っていても、相続税が課税されない場合もあります。

なぜかといいますと、今の日本の法律だと、相続人の人数が多ければ多いほど、相続税が課税されにくい仕組みになっているためです。

相続税の基礎控除は、相続人の数によって変わり、具体的には、相続人の人数が1人増えるごとに、600万円が課税されなくなる仕組みになっています。

例えば、相続人が1人なら、基本となる3000万円と600万円をあわせて、3600万円まで課税されません。

相続人が4人なら、基本となる3000万円と、600万円×4=2400万円を合わせた、合計5400万円まで課税されません。

このように、相続税申告が必要なライン、すなわち、基礎控除額は、相続人の人数によって変わってきます。

3 相続税が0円なのに相続税の申告が必要なケースもある

相続税には様々な控除や特例があり、それらを適用すると、相続税が0円となり場合があります。

しかし、これらを利用する場合、結果的に相続税が0円になるものの、相続税の申告は必要というケースがあります。

例えば、夫が亡くなり、相続人として妻と長男がいたとします。

相続人が2人なので、仮に4200万円までの遺産であれば、基礎控除額の範囲内ですので相続税は課せられません。

ところが、夫には9000万円の遺産がありました。

このようなケースであっても、妻が全遺産を相続し、配偶者控除の特例制度の利用によって、相続税を0円にすることができます。

しかし、配偶者控除の特例制度を利用するためには、相続税申告をしなければなりません。

したがって、配偶者控除の特例を利用すれば結果的に相続税が0円となるケースであっても、相続税の申告が必要となるのです。

相続税の申告を依頼する税理士の選び方

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年10月11日

1 すべての税理士が相続税に詳しいとは限らない

税金には、会社関係の税金や個人事業主関係の税金等、様々なジャンルがあります。

相続税はそのジャンルの中の1つですが、すべての税理士が相続税にくわしいとは限りません。

実際に、年間の相続税の申告件数を税理士の数で割ると、税理士1人あたりでは平均して数件程度しか相続税の申告をしていないことになります。

現実には、相続税の申告を多く担当している税理士もいれば、1年で1回も担当したことのない税理士も存在するでしょう。

つまり、税理士にとって、相続税という分野は必ずしもメジャーな分野であるとはいえない面があります。

2 相続税を中心に扱っている税理士を選びましょう

相続税は、申告内容によって、大きく税金の額が変わることがあります。

そのため、相続税を中心に扱っている税理士に依頼しないと、高い税金を支払うことになってしまったり、反対に申告漏れが生じてペナルティを課せられてしまったりする可能性があります。

そこで、相続税の申告を依頼する場合は、その税理士が相続税を中心に取り扱っているかどうかをチェックすることが大切です。

3 土地の評価に詳しい税理士を選びましょう

相続税の申告で、税理士の力の差が最もよく表れるのは、土地の評価についてです。

たとえば、土地を1億円の価値と考えて相続税の申告をした場合は、それに応じた税金が課されます。

しかし、土地の形がいびつであるなどの事情から、土地の評価額は下げることができる場合があります。

土地の評価額を下げることができれば、その分相続税が軽減されます。

そのため、相続税の申告を依頼する場合は、その税理士が土地の評価に詳しいかどうかをチェックすることが大切です。

4 法律の専門家と提携している税理士を選びましょう

あらかじめ遺産の分け方が決まった状態でないと、相続税を軽減するための特例が使えない場合があります。

そのため、相続税の申告をする場合は、同時に遺産の分け方についても検討が必要です。

しかし、法律上、税理士は遺産の分け方に関する相談を受けることができないことになっています。

どのように遺産を分けることが適切かは、法律の専門家である弁護士によるアドバイスが不可欠になります。

そのため、相続税の申告を依頼する場合は、弁護士と提携している税理士を選ぶことが大切です。

相続税はどのように計算されるのか

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年10月20日

1 相続税の計算方法はとても複雑

国税庁は、ホームページで相続税の計算方法を発表しています。

参考リンク:国税庁・相続税の計算

しかし、専門用語も多数使用されており、一般の方にとっては理解しづらい内容になっている面もあります。

そこで、相続税の計算方法について、大まかなイメージをつかんでいただくため、以下で簡易的な説明をしていきます。

2 まずは「取得した遺産の内容」を確定させる

相続税は、亡くなった方の遺産に対して課税されるため、まずは亡くなった方の遺産内容を確定させます。

たとえば、お父さんが亡くなり、お父さんが所有していた建物がある場合、その建物は遺産ということになります。

他方、その建物内に、お母さん所有の貴金属があった場合、それはお母さんの財産であるため、お父さんの遺産ではないということになります。

このように、相続税の計算をする場合、お父さんの遺産の内容をはっきりさせることから、スタートします。

また、相続税の計算上、死亡保険金や、生前贈与した財産も、遺産とみなされることがあります。

3 「相続税の計算の対象外となる財産」を確定させる

遺産全体が把握できれば、次は相続税の計算の対象外となる財産を確定させ、その金額を遺産の総額から引いて計算します。

たとえば、死亡保険金は、相続税の計算上遺産とみなされますが、一定の金額までは相続税が非課税となります。

そのため、計算上は非課税部分を遺産から除くことができます。

また、葬儀費用や、亡くなった方の債務も、相続税の計算上は遺産から引くことができます。

4 相続税の総額を計算

以上のことを計算した結果出た数字を、課税価格といいます(課税価格は各相続人ごとに計算されます)。

各相続人の課税価格を合計すると、相続税の課税対象になる財産の総額が分かります。

その課税価格の総額から「基礎控除額」というものを引くことができます。

たとえば、課税価格の総額が5000万円で、相続人が3名の場合、基礎控除額は4800万円なので、差し引きで200万円が残ります。

この200万円に対して、相続税が課税されることになります。

5 詳細な計算方法は税理士にご相談ください

以上が、相続税の大まかな計算方法です。

端的にまとめると、遺産の概要を確定させ、そこから相続税の計算の対象外となる財産の額と基礎控除額を引いて、残った金額に相続税が課税される、ということになります。

実際に相続税の金額を算出するにあたっては、他にも複雑な計算が必要となる場合があります。

さらに詳しい内容をお知りになりたい場合は、当法人の税理士までお気軽にご相談ください。

どのような財産が相続税の対象となるのか

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年4月10日

1 どんな財産が相続税の対象になる?

相続税は、亡くなった方が所有していた財産に対して課税されるというイメージをお持ちの方は少なくありません。

確かに、大まかなイメージとしては間違っていないのですが、厳密に言うと不正確ということになります。

たとえば、亡くなった方が所有していた財産であっても相続税が非課税になるものもあれば、亡くなった方が所有していた財産ではないのに相続税の課税対象になる財産もあります。

ここでは、相続税の対象になる財産について説明します。

2 原則は亡くなっていた方が所有していた財産が課税対象

財産として真っ先に思い浮かぶのは、銀行、信用金庫等に預けている預金や貯金、証券会社に預けている株式や投資信託、公社債、自宅等の不動産などでしょうか。

他にも、亡くなる直前に引き出した現金、自宅にあるタンス預金なども該当します。

また、会社経営者などの場合は非上場株式を保有していることがあり、これも課税対象になります。

その他にも、自動車、バイク、宝石、貴金属などの、目に見える財産はもちろん、誰かにお金を貸している場合の債権、特許権、著作権など目に見えない財産も、亡くなった方が所有していた財産です。

これらの財産は、すべて相続税の課税対象になります。

なお、時々問題となるのは、名義財産です。

亡くなった方が自分の名義ではなく、配偶者や子などの名義で所有する財産で、亡くなった方が資金を拠出し、管理していたような場合には、課税対象となってしまいます。

3 亡くなった方の財産ではないが相続税の課税対象になるもの

亡くなった方が所有していたわけではない財産であっても、法律的には相続税の課税対象になるものがあります。

また、亡くなる前7年の間に、相続などにより財産を取得した者に対する贈与財産については、相続税の課税対象となります。

4 亡くなった方の財産でも相続税が課税されないもの

たとえ、亡くなった方が所有していた財産であっても、相続税を課すべきでないと考えられている財産があります。

たとえば、墓地、墓石、仏壇など、祖先を祭るための財産です。

また、死亡保険金も、特別な扱いがなされています。

日本では生命保険の加入率がかなり高く、相続発生後は、死亡保険金の請求を行うというケースが多くあります。

この保険金が、相続税の課税対象になる可能性があります。

具体例として、お父さんが保険会社に保険料を支払い、お父さんが亡くなった際に、長男に1000万円の死亡保険金が支払われたというケースを考えてみます。

この1000万円は、お父さんの死後に発生した金銭であるため、お父さんの財産ではなく、最初から長男の財産であると考えられます。

しかし、死亡保険金はお父さんの死亡をきっかけとして発生する金銭であるため、相続税法上はお父さんの財産として見なされ、相続税の課税対象になります。

また、亡くなった方の財産で、相続税申告の期限までに国や地方公共団体などに寄付した財産についても、一定の条件を満たせば相続税が課せられません。

相続税申告に必要な費用

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年12月15日

1 相続税申告に必要な費用とは

相続税申告の際には、相続税の申告書に記載された内容が正しいことを示すために、申告書を作成した際に参照した資料を添付することになります。

その資料を集めるための費用が、必ず発生します。

たとえば、相続税の申告で必要な資料として、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本があります。

戸籍謄本の取得には、1通あたり数百円の費用が必要です。

また、亡くなった方が銀行に口座を持っていた場合、預金の残高証明が必要な場合があるため、残高証明書の発行手数料が必要になります。

残高証明書の発行手数料は、銀行ごとに異なります。

このように、相続税申告をする際は、資料集めの費用が必要になります。

2 税理士への報酬

相続税の計算は、税務署がやってくれるわけではありません。

相続税申告をする際は、申告をする側が複雑な相続税の計算をして、適切な税額を納付しなければなりません。

申告の準備が煩わしい、相続税の計算方法が難しく自信がないとお考えの方も多く、税理士に相続税の申告を依頼される方が多いです。

税理士に相続税の申告を依頼した場合は、税理士への報酬も用意する必要があります。

税理士の報酬は、税理士事務所ごとによって異なるため、一律の基準はありませんが、多くの事務所が遺産の総額に応じて、報酬が変わるような形になっています(以前は、税理士会の定める税理士報酬規程というものがあり、報酬の計算方法が決められていましたが、この規程は平成14年4月1日以後廃止され自由化されました)。

基本的には、遺産総額に応じて、遺産総額の0.5%~1%程度を基本報酬として設定し、その上で事案の難易度等に応じて加算報酬を設定している税理士事務所が多い印象です。

基本報酬というのは、税理士に依頼すると必ずかかる料金をいいます。

つまり、相続財産が多額であるほど、基本報酬も高くなってくるということになります。

たとえば、遺産総額が5000万円以下であれば〇〇万円、遺産総額が7000万円以下であれば△△万円といった形です。

また、加算報酬というのは、相続人の人数、相続財産の内容、提供されるサービスなどによって基本報酬に加算されていく、追加料金のようなものになります。

3 税理士に依頼した方が結果的に費用を抑えることができる?

「税理士に依頼すると費用が掛かるから自分で相続税の申告をしたい」と考える方は少なくありません。

しかし、税理士に依頼した方が結果的に費用を抑えることができる場合もあります。

たとえば、相続税の負担を軽くするための制度を使うことで、税金の負担を100万円以上軽くできる場合があります。

このような制度が用意されていることについては、税理士以外の方はご存じでないことも多く、制度を使わなかったとしても、税務署が申告書を修正したりはしてくれない点に注意が必要です。

また、次の相続のときの相続税も考慮して、遺産の分け方を工夫することで、税金の負担を100万円以上軽くすることも不可能ではありません。

次の相続のことまで視野に入れて相続税申告を行うためには、相続に関する広い知識が必要になりますので、税理士に依頼をされることをおすすめいたします。

このように、税理士に依頼した場合、専門家への報酬以上に費用を抑えることができる場合があります。

相続税の相談をするタイミング

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年3月14日

1 生前対策は早いほど効果が出ます

⑴ 残された家族が困ってしまうかも?

相続はどのご家庭でも必ず発生することであり、「できれば残された家族に負担をかけることなく適切な相続を実現したい」と考える方も多くいらっしゃいます。

特に、一定以上の資産をお持ちの方は、できるだけ多くの資産をご家族に残したいと思うでしょう。

そのような中で、ある意味で大きな壁になるのが相続税です。

たとえば、不動産は、比較的高価な財産であるため、遺産の大部分が不動産で、預貯金があまりないというケースは珍しくありません。

この場合、相続税の支払いはどうなるでしょうか。

遺産の中から相続税を支払うことができないため、相続人は自分の資産から相続税を支払わなければなりません。

もし相続税を支払うことができなければ、遺産の不動産を売却して相続税を支払うことになります。

しかも、相続税の納付期限は10か月であるため、こういったケースでは、早期に売却する代わりに不動産を安く買いたたかれることもあります。

このように、事前にしっかりと納税資金を用意しておかないと、残された家族が困ってしまうかもしれません。

⑵ 生前対策の相談のタイミング

先ほどの例のように、相続税の納税資金を用意しておかないと、残された家族が困ったことになってしまう場合があります。

また、仮に遺産の中に十分な預貯金がある場合でも、それだけでは十分な資産を残すことができるとは限りません。

たとえば、預貯金が9000万円あって、他に目ぼしい財産がないというケースであれば、その9000万円から相続税を支払えばいいので、相続税の納付で困ることはないでしょう。

しかし、預貯金の9000万円を財源に生前対策を行っておけば、相続税の負担を軽減することができる場合があります。

特に、相続税を軽減するための対策は、早いうちから行った方が効果は高まります。

そのため、相続税の生前の相談はできるだけ早くすることが大切です。

2 相続発生後も、相談はお早めに

相続発生後は、相続税の申告を検討しなければなりません。

相続税の申告は、10か月という期限があります。

この10か月の間に、相続人の調査、遺産の調査、遺産の分け方の決定など、様々な手続きを行わなければなりません。

特に、遺産の分け方が決まっていない状態だと、相続税を軽減するための特例が使えないようなケースもあるため、なるべく早く遺産の分け方を決める必要があります。

しかし、もし遺産の分け方でもめてしまった場合は、10か月以内に遺産の分け方が決まらないことも多くあります。

そのため、相続発生後は、できるだけ早いタイミングで相続税の相談をして、相続税の申告のタイムスケジュールについて、相続人全員で共通認識を作っておくことが重要です。

3 法律と税金の両方が分かる専門家に相談しましょう

相続税の問題は、税金の問題だけにとらわれると、思わぬ落とし穴に落ちてしまうことがあります。

相続問題を考える際は、「適切な遺産の分配」という法律的な面にも注意が必要です。

相続税の問題だけに着目して遺産の配分などを決めてしまった場合、相続人同士での争いが起きてしまうこともあります。

そのため、相続税の相談をする際は、法律と税金の両方が分かる専門家に相談することが大切です。

相続税の無料相談をお考えの方へ

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年1月16日

1 誰に相続税申告の相談をすべきか

ご家族が亡くなった際には、葬儀を始めとしてやらなければならないことが非常に多く出てきます。

相続税に関する手続きもその一つです。

相続税の手続きには期限が設定されているため、本来は前もって情報を整理しておくとよいのですが、実際にはなかなか難しい方も多いと思います。

そのため、相続が発生した後で、まずはどこか無料で相談できるところをお探しになる方も多いのではないでしょうか。

2 相続税の無料相談窓口を探す

⑴ 相続税の無料相談先の種類

相続税の無料相談先窓口としては、①税務署、②国税局電話相談センター、③税理士会の無料相談、④税理士や税理士法人の無料相談などが考えられます。

⑵ どこに相談すればよいか

無料で気兼ねなく何度も相談してみたいという方でしたら、①税務署や②国税局電話相談センターがおすすめです。

ただし、税務署は事前予約が必要な場合が多く、待ち時間が長い可能性が高いです。

国税局電話相談センターは、事前予約は不要ですので、気軽に電話相談できる点がメリットです。

しかし、一般的かつ基礎的な内容の相談しかできないため、個別具体的な相談をしたい場合には向いていないでしょう。

③税理士会の無料相談は、税理士が面談で相談に乗ってくれる点がメリットですが、やはり一般的な内容の相談に留まる点や、相談に乗ってくれる税理士が相続税申告に特化しているとは限らない点がデメリットになるでしょう。

⑶ 税理士や税理士法人の無料相談がおすすめ

相続税申告が必要かどうか、相続税申告に必要な資料は何か、相続財産の評価はどうなるか、申告や納税の流れはどうかなど、自分の申告について具体的なアドバイスがほしい場合は、税理士や税理士法人の無料相談がおすすめです。

この場合も、相続税に特化した税理士や税理士法人を選ぶことが重要です。

3 どの相談窓口を利用するかは自分のニーズによって決まる

時間をかけずに一般的な相談をしたいということでしたら、①税務署、②国税局電話相談センターに相談するのがよいでしょう。

確実に税理士に相談したい場合は、③税理士会の無料相談でも足りるかもしれませんが、より具体的な内容について知りたい方は、④税理士や税理士法人の無料相談がよいでしょう。

当法人も、相続税に関するご相談は原則無料で承っております。

お気軽にご利用ください。

相続税について税理士に相談したほうがよい場合

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年11月6日

1 相続税申告の有無を知るためには税理士に相談すべき

ひとたび相続が発生すると、葬儀を行い、各種相続手続きをはじめ、相続財産を把握し、相続税を支払う必要があるかどうかについて調査するなど、様々なことをしなければなりません。

やらなければならない手続きの中には、期限が設定されているものも多いため、前もって情報を整理しておくとよいのですが、突然の相続でなかなか難しい方も多いかと思います。

特に、相続税の申告期限は、通常は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

申告だけではなく、納税も含めて10か月以内であるため、その点にも注意が必要です。

また、相続税には基礎控除が定められており、相続財産が基礎控除の額の範囲内であれば、申告も納税も不要です。

他方、基礎控除額を超える相続財産がある場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。

相続後の慌ただしい中で、自分の場合は相続税の申告が必要かどうかについてお悩みの方は、相続税を専門に扱う税理士にまず相談することをおすすめします。

2 相続税について相談する税理士はどういった基準で選ぶべきか

税金といっても、相続税のほかに、消費税、所得税、法人税など様々な種類があります。

税理士にも、これら税金の種類に応じて、それぞれ専門分野があります。

相続税申告で一番難しいポイントは、相続財産をどのように評価するかという点であり、どのように評価するかによって相続税額に反映されるため非常に重要です。

そのため、相続財産の評価、特に土地の評価について精通している税理士に相談したほうがよいでしょう。

また、相続に関する問題は、相続税だけではありません。

誰が何を相続するかが決まらなければ、相続税の申告をすることができないのですが、遺産分割協議において紛争が起きてしまうこともあるでしょうし、そもそも相続財産が何か分からないこともあるでしょう。

そのような場合は、弁護士等の他の分野の専門家と連携しつつ、様々な問題にスムーズに対応できる税理士を選ぶべきです。

さらに、税理士報酬が明確かどうかも重要です。

相談の結果、自分が相続税申告をしなければならないと分かったとしても、税理士に依頼する場合、税理士報酬がいくらかかるか不安に思っておられる方も多いのではないでしょうか。

相続税申告を依頼する税理士を選ぶにあたっては、明確な料金設定と業務の範囲を提示してくれる税理士を選ぶと良いでしょう。

3 できるだけ早く税理士に相談したほうが安心

1でも述べたように、相続税の申告期限は、通常は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内ですが、納税も含めて10か月以内にしなければなりません。

つまり、10か月の間に、相続人関係、相続財産関係等の資料集めや、不動産評価などの複雑な計算を終えて、自分が支払うべき相続税額を算出し、税務署に納税までしなければならないということです。

申告期限を過ぎてしまうと、様々なデメリットやペナルティを負うことにもなりかねません。

申告期限である10か月は、想像しているよりも早く、あっという間に過ぎてしまいます。

特に、遺産分割協議をしなければならない場合は、話し合いが難航するおそれもありますので注意が必要です。

そのため、早めに税理士に相談をして、手続きのプランを立てておくことをおすすめします。

相続税を申告・納付する義務者

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年11月10日

1 遺産を取得した人は、相続税の申告・納付が必要かもしれません

相続税は、文字通り相続した遺産に対して課せられる税金です。

そのため、遺産を受け取った場合は、相続税の申告・納付をしなければならない可能性があります。

「遺産を受け取る場合」とは、相続人に限ったことではありません。

例えば、Aさんが孫のBさんに土地を遺贈するような遺言書を作成した場合や、親しい友人であるCさんに1000万円を遺贈するようなケースでは、BさんやCさんが相続人でなくても、相続税の申告・納付が必要な場合があります。

2 遺産を受け取っていなくても、相続税の申告・納付が必要なことも

法律上遺産とは考えられていないお金を受け取ったようなケースでも、相続税の申告・納付が必要な場合があります。

例えば、Aさんが、「自分が亡くなった時に、友人のCさんに3000万円の生命保険金が支払われる」という内容の生命保険に加入していたとします。

生命保険金は原則として相続財産には含まれませんが、相続税の計算の上では、「みなし相続財産」と呼ばれ、相続税の課税対象になります。

つまり、遺産を受け取った場合だけでなく、「みなし相続財産」を受け取った場合も、相続税の申告・納付が必要になることがあります。

3 法人が遺産を受け取った場合はどうなるのか

遺産を受け取ったといっても、受け取ったのが法人の場合はどうなるでしょうか。

例えば、Aさんが自分の経営する会社に、1000万円を遺贈するという遺言書を作成していたようなケースが考えられます。

この場合、1000万円は相続税ではなく、法人税の申告対象になります。

そのため、原則として会社は相続税の申告・納付をする必要がありません。

4 遺産が一定額以下の場合は、相続税の申告・納付は不要

相続が発生したからといって、必ずしも相続税の申告・納付が必要とは限りません。

まず、遺産総額が、基礎控除額である3000万円以下であれば、原則として相続税の申告・納付は不要です。

また、相続人が1人増えるごとに、相続税が課せられない基礎控除額が600万円増えます。

ただし、相続放棄をした人がいる場合はどうなるのか、養子がいる場合はどうなるのかなど、考慮しなければならないことは多数ありますので、自己判断はおすすめいたしません。

相続税の申告・納付が必要かどうかは、一度専門家に相談することをおすすめします。

相続税の申告・納付を適切に行わないとどうなるのか

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年11月12日

1 相続税の申告・納付のルール

相続税の大原則のルールは、まず期限を守ることです。

相続税の申告には、10か月という期限があります。

そのため、10か月以内に相続税の申告と、相続税の納付を完了させなければなりません。

次に、「適切な」申告をする必要があります。

仮に10か月の期限を守ることができたとしても、申告内容が不適切であれば、結果的にペナルティが発生してしまいます。

相続税のペナルティは、大きく分けて4種類あるため、順番にご説明します。

2 相続税の納付期限を守ることができなかった場合

10か月の期限を過ぎても、相続税を納付できなかった場合、延滞税という税金が課税されます。

イメージ的には、相続税に利息がつくようなものです。

しかし、利息だからたいしたことはないというイメージは危険です。

延滞税は、最大で14.6%であるため、決して安いものではありません。

相続税を期限内に納税できないとどうなるかについては、こちらをご覧ください。

3 本来の財産額より少ない額で申告してしまった場合

仮に10か月の期限を守ることができても、本来の財産額よりも少ない額で申告してしまうという不適切な申告をしてしまった場合、過少申告加算税が課せられます。

たとえば、預貯金はA銀行とB銀行にしかないと思っていたところ、実はC銀行にも2000万円の預貯金があったというようなケースだと、本来申告すべき数字より2000万円少ない金額で申告したということになりますので、過少申告加算税が課せられます。

こういう事態を防ぐためには、財産調査をしっかりと行う必要があります。

4 相続税の申告をしないといけないのに申告しなかった場合

相続税申告が必要であるにも関わらず、正当な理由なく申告しなかった場合、無申告加算税が課せられます。

正当な理由とは「災害、交通・通信の途絶」などを指すと考えられています。

そのため、「財産の調査を全然しなかったので、相続税申告が必要なほど財産があるとは知らなかった」というような理由は通用しないと考えた方がよいでしょう。

過少申告加算税や無申告加算税については、国税庁のホームページでも詳細を確認できます。

参考リンク:国税庁・相続税、贈与税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて

5 意図的に不正行為をした場合

財産を意図的に隠したり、資料を改ざんしたりする等して、不当に財産額を減少させる等、「意図的に相続税を減少させるような行為」をした場合、重加算税が課せられる場合があります。

資料の改ざんや偽造は、税金的なペナルティだけでなく、刑事罰を受ける可能性もあるため、絶対にやらないよう注意しましょう。

参考リンク:国税庁・相続税及び贈与税の重加算税の取扱いについて

相続税計算シミュレーション

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年2月6日

1 相続税の計算方法

相続税について、皆さまが気になるのは、「要するに、どれくらいの相続税を納めなければならないのか」という点ではないでしょうか。

そこで、遺産総額と相続人を仮定して、相続税の計算の概略についてご説明します。

具体的な事情によっては、細かいルールがあるのですが、ここではおおよそのイメージをつかんでいただくために、ざっくりとしたご説明になります。

2 遺産総額8000万円で、相続人が配偶者と子2人の場合

相続税の計算で、最初にみるポイントは、基礎控除がいくらであるか、という点です。

相続税の計算をする際は、遺産総額から基礎控除額を引くというルールがあり、基礎控除分は課税されません。

基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人数と定められています。

たとえば、相続人が配偶者と子2名であれば、法定相続人は3名ですので、基礎控除額は、3000万円+600万円×3名=4800万円となります。

そうすると、遺産が4800万円までであれば、相続税がかからないということになります。

仮に、遺産総額が8000万円であったとすると、基礎控除額4800万円を引いた3200万円について、相続税が課せられます。

その次が難しいのですが、このように基礎控除額を差し引いた金額(3200万円)を各相続人が法定相続分で取得したと仮定して、財産を振り分けて税額を計算するのです。

どういうことかというと、相続人が配偶者と子2人の場合、配偶者の法定相続分が2分の1、子がそれぞれ4分の1ずつなので、3200万円を振り分けて、配偶者が1600万円、子が800万円ずつ取得したと仮定して、取得金額に応じた税率、控除額によって、法定相続人ごとの税額を計算するのです。

ここで、

・法定相続分に応じる取得金額1000万円以下だと、

税率10% 控除額なし

・法定相続分に応ずる取得金額1000万円超から3000万円以下だと、

税率15% 控除額50万円

であるため、税額は次のとおりとなります。

配偶者:1600万円×15%-50万円=190万円

子A :800万円×10%=80万円

子B :800万円×10%=80万円

このように算出された税額を合計すると、相続税の総額は350万円になります。

この相続税の総額350万円を、実際の遺産の取得割合に応じて、各相続人に振り分けることになります。

たとえば、実際にも、法定相続分どおりに遺産を分けたとすると、配偶者の法定相続分は2分の1で、子がそれぞれ4分の1ずつなので、相続税もその割合で振り分けられ、結果的に配偶者が190万円、子がそれぞれ80万円ずつ相続税を負担することになります。

このように負担額を定めたとしても、さらに、個別事情により、加算や控除がなされます。

配偶者は、1億6000万円までは相続税が課せられないため、結局のところ、配偶者の相続税の負担額は0円となります。

3 遺産総額が2億4800万円で、相続人が配偶者と子2人の場合

相続人の人数が同じであるため、先程と同じく、基礎控除は4800万円です。

そのため、遺産総額2億4800万円から、4800万円を引いた2億円に、相続税が課せられます。

この場合、法定相続分どおりに、配偶者が1億円、子がそれぞれ5000万円ずつ取得したと仮定すると、税率、控除額は次のとおりです。

・法定相続分に応ずる取得金額3000万円超から5000万円以下だと、

税率20% 控除額200万円

・法定相続分に応ずる取得金額5000万円超から1億円以下だと、

税率30% 控除額700万円

法定相続人ごとの税額は、次のとおりです。

配偶者:1億円×30%-700万円=2300万円

子A :5000万円×20%-200万円=800万円

子B :5000万円×20%-200万円=800万円

このように算出された税額を合計すると、相続税の総額は3900万円になります。

そのうえで、実際には、配偶者が2分の1、子Aが6分の2、子Bが6分の1取得したというような場合、相続税の額は、配偶者が1950万円、子Aが1300万円、子Bが650万円になります。

もっとも、配偶者の税金が0円になるのは、先ほどと同じです。

4 細かい計算は税理士にご相談を

以上のシミュレーションは、かなり大まかな概算です。

実際には、相続税を軽くするための特例が複数存在するため、相続税の申告の際は、もっとも相続税が軽くなるような工夫を行います。

たとえば、遺産の中に土地がある場合、小規模宅地等の特例を使い、最大で土地の評価額を80%カットできることがあります。

土地の評価額が下がるということは、その分、遺産総額が少なくなり、相続税の負担が軽くなります。

また、土地が正方形ではなく、いびつな形になっているなど、その土地の特殊事情を細かく調査し、土地の評価額を下げるといった対応も検討する必要があります。

そのため、相続税の相談をする際は、相続税に強い税理士に相談することが大切です。

相続税の対策に税理士が必要な理由

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年11月15日

1 相続税の対策は事前準備が大切

相続税で問題になりやすいテーマとして、いかにして申告期限までに納税資金を用意するかというものがあります。

たとえば、遺産が3億円あった場合、相続税の資金には困らないようにも思えますが、その3億円の大半が不動産だった場合はどうでしょうか。

遺産の中に現金や預貯金がない場合、相続人は、基本的に、遺産を売ってお金に換えるか、または自らの資産の中から相続税の納税資金を用意しなければなりません。

しかし、たとえば相続税で7000万円を用意しないといけないというケースの場合、相続人がそれだけの資金的な余裕を持っているとは限りません。

もし、相続税を用意できない場合は、遺産である不動産などを売却して納税資金を用意するという方法もあります。

しかし、相続税の申告と納付には、相続発生後10か月という期限があります。

被相続人が遺言を作成していた場合は、遺贈を受けた方が早めに不動産の売却活動に着手しやすいかもしれませんが、遺言が無い場合で、かつ、相続人間で揉めた場合は遺産分割協議がスムーズにいきませんので、不動産の売却活動に入ることができないケースも想定されます。

また、売却活動に入ることができたとしても、不動産によっては、申告期限内に買い手が見つからず換価できない可能性も否定できません。

そうすると、申告期限内に相続税を納付できないという事態に陥ってしまうことになります。

他方、不動産売却にあたって、「急ぎで現金が必要」という事情があると、足元を見られて、安く買いたたかれてしまう可能性もあります。

こういった事態を防ぐためには、生前のうちから、財産の範囲や評価額の把握、納税資金の準備などの相続税対策をしておく必要があります。

2 相続税の事前対策には税理士が必要

仮に、相続税の納税資金を用意するために、生前のうちから不動産を売却するという方針を立てたとします。

しかし、やみくもに不動産を売却することは、得策ではありません。

たとえば、一定の不動産については、最大で80%相続税評価額を下げることができます。

相続税評価額を下げることができれば、その分、遺産の総額が圧縮されますので、相続税額が減り、納税の負担も軽くなります。

とすると、その不動産については、生前に急いで売却する必要はなく、他の不動産を優先的に売却すべきということになります。

また、不動産の売却後、売却代金が入金されたとしても、不動産の売却代金をそのまま持っているより、生命保険などを利用すれば、控除枠を使って相続税を軽くすることができます。

こういった、相続全体の対策をする上では、税金に関する法律や仕組みを熟知した上で、手続を進めることが大切です。

そのため、相続税の事前対策は、税理士のアドバイスが不可欠です。

3 相続発生後も税理士が必要

相続発生後は、相続税の申告を検討しなければなりません。

もし、不適切な相続税の申告をしてしまえば、税務署による調査が入ってしまう可能性があります。

たとえば、遺産の調査が不十分で、遺産が一部漏れたままで相続税の申告をしたり、不動産の評価額を誤って過少な申告をしてしまったりするようなケースが考えられます。

そこで、相続発生後は、税理士に相続税の申告を依頼し、適切な申告をすることが重要です。

特に、相続税の申告では、税金を軽くするための様々な特例があります。

この特例を利用するには、様々な条件があるため、税理士に相談した方がよいでしょう。

ただし、全ての税理士が、相続税について詳しいわけではないため、相続税の案件をたくさん扱っている税理士に相談することが大切です。

相続税に詳しい専門家に相談するメリット

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年10月8日

1 スピーディーな対応が可能

相続税の申告をする上で、大切なのがスピード感です。

相続税の申告期限は、原則として被相続人が亡くなってから10か月です。

その間に、相続税の申告で必要になる資料を集めて、適正な納税額を計算し、申告・納付をしなければなりません。

相続税に詳しい税理士であれば、どういった場合に、どのような資料が必要なのかを最初から把握しているため、スピーディーな対応が可能です。

あまり相続税の申告の経験がない税理士であれば、どのような資料を集めればいいのかを把握していない状態からスタートしなければならない場合もあるため、スピーディーな対応が難しい可能性があります。

2 適正な相続税の申告を行うことができる

相続税を計算する際、税理士であれば、誰が行っても、同じ結果になると考えている方も多いと思います。

しかし、相続税の税額は、税理士によって異なることがあります。

例えば、相続税の申告をする上では、不動産の評価が必要になります。

なるべく不動産の評価額を下げた方が、相続税を軽くすることができるため、不動産の減額要因があるかをくまなく調査することが大切です。

このような調査や計算は高度なノウハウが必要になるため、相続税に詳しい税理士とそうでない税理士では、結果に差が出ることも少なくありません。

そのため、相続税に詳しい税理士に相談するメリットとして、適切に評価・計算を行ってくれる点が挙げられるかと思います。

3 次の相続についても検討が可能

相続税の申告をする上で欠かせない考慮要素が、次の相続です。

たとえば、高齢の夫が亡くなり、妻と子が相続人だったとします。

特別な事情がなければ、次は妻の相続が発生し、その時に子が新たに相続税の申告をすることになります。

このように、比較的近い時期に2回の相続税の申告が必要になる場合は、1回目の申告と2回目の申告で、どれくらいの相続税がかかるのかをシミュレーションしておく必要があります。

その結果次第で、夫の遺産をどの程度妻が相続すべきなのかどうかが決まってきます。

相続税に詳しい税理士であれば、こういった次の相続も見据えた上でシミュレーションが可能ですので、より満足度の高い相続税申告を期待していただけるのではないかと思います。

相続税の申告にかかる期間

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年2月14日

1 相続税の申告をするための流れ

相続税の申告をするためには、関係する資料を集め、相続税の申告書を作成する必要があります。

具体的には、まず戸籍謄本を集め、相続人の人数を確定させます。

次に、預貯金の残高証明書や、不動産に関する資料など、遺産に関する資料を集めます。

最後に、集めた資料に基づき、相続税の申告書を作成します。

2 最初の1か月で相続人の人数を確定させる

相続に関する手続きでは、まず戸籍謄本を集める必要があります。

戸籍謄本を集めることで、相続人の人数を確定することができるからです。

まずは、亡くなった方が生まれてから、亡くなるまでの戸籍謄本を集めます。

これによって、亡くなった方の配偶者や、子の人数が分かります。

もし、子が亡くなっていて、孫がいる場合は、孫が相続人になるため、必要な戸籍が増えます。

また、第2順位以降の人が相続人になる場合は、必要な戸籍がさらに増えることになります。

3 次の1か月で、遺産の調査を行う

相続人の人数が確定した後は、どのような遺産があるのかを調査します。

預貯金の調査を行う場合は、家にある通帳を調べたり、金融機関で残高証明書を取得したりすることになります。

他方、不動産を調査する場合は、家に届く固定資産税に関する書類を探します。

ただし、固定資産税が発生しないような不動産もあるため、市区町村で、不動産の一覧表を取得する必要があります。

4 次の1か月で、相続税の申告書を作成する

集めた資料に基づき、相続税の申告書を作成します。

特に、形状が特殊な土地や、近くに特殊な施設がある土地など、特別な評価が必要な土地がある場合は、その評価をする必要があります。

また、非上場株式のように、市場で値段が決められていない株式は、適切な評価を行った上で申告書を作成する必要があります。

5 相続税の相談はお早めに

上記のように、3か月程度あれば、相続税の申告書が完成します。

ただし、相続人の人数、遺産の内容などによっては、これ以上の期間が必要になる場合もあります。

相続税の申告には期限があるため、申告書の作成に長い期間が必要になる可能性を踏まえて、早い段階で一度税理士に相談をすることが大切です。

当法人に相続税の相談をする流れ

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年8月9日

1 まずは電話やメールでお問い合わせ

当法人に相続税の相談をしていただく場合、まずはご相談のお申込みをしていただきます。

お申込みはフリーダイヤルまたはメールフォームから承っております。

フリーダイヤルは平日夜遅い時間までお電話がつながりますので、お問合せしていただきやすいかと思います。

受付担当のスタッフが丁寧に対応させていただきますので、初めての方もどうぞお気軽にご連絡ください。

2 初回相談の流れ

相続税は、一定額以上の遺産がある場合に発生する税金であるため、家族構成や遺産の内容によっては、相続税の申告が不要な場合があります。

相続税には基礎控除が定められているので、相続財産が基礎控除の額の範囲内であれば、相続税申告が不要ですし、相続税を支払う必要はありません。

他方、基礎控除額を超える遺産がある場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。

そのため、相談者様の家族構成と遺産の内容について詳細をお伺いし、相続税の申告が必要かどうかを確認します。

相続税の申告が必要な場合、相続税がどれくらいの額になるのかを大まかに試算し、相続税の申告のスケジュールについて、ご説明します。

特に、相続税の申告の期限に注意をしながら、今後の流れをお伝えします。

3 初回相談後の流れ

初回相談だけでは、状況によっては、相続税の申告が本当に必要かどうか分からない場合があります。

そういったケースでは、相続税の申告が必要かどうかを判断するために、戸籍謄本や除籍謄本等の相続関係が分かる書類、相続財産が分かる書類、例えば、不動産の名寄帳、登記情報、銀行の残高証明書や通帳など、より詳細な相続財産に関する資料が必要になります。

資料が集まり次第、2回目の相談を行い、より詳しいご説明をいたします。

4 相続税についてはお早めにご相談ください

相続税の申告は、ご家族が亡くなり相続が発生し、そのことを知った時から10か月以内に行う必要があります。

遺言があるかどうかや、遺産分割協議が成立するなど、遺産の分け方が決まっているかどうかに関係なく、10か月以内の申告が義務付けられています。

しかし、相続が発生すると、葬儀を行うなど非常に忙しい中で、相続財産を詳細に調査してその内容を把握し、自分が相続税を支払う必要があるかどうか確認するなど様々なことを期限内にしなければなりません。

そのため、10か月の申告期限ギリギリで税理士に相談しても、その期限までに間に合わない可能性があります。

相続が発生してから慌てて確認すると、誤った対応をしてしまう危険性がありますので、なるべく早く税理士に相談しておくことをおすすめします。

相続税申告に必要な書類

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年10月5日

1 相続税申告には多種多様な書類が必要です

相続税を申告する際は、申告書を作成して税務署に提出します。

その際、申告する内容に応じて、これから述べる書類もご用意いただき、申告書と一緒に提出する必要があります。

① 戸籍関係

被相続人と相続人との関係を確認するために、以下の書類が必要です。

〇 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

〇 相続人全員の戸籍謄本、又は法定相続情報一覧図

〇 相続人全員のマイナンバーカード等、マイナンバーが書かれたもの

② 遺産分割関係

被相続人の財産をどのように分けたのかが分かる書類が必要です。

〇 遺言書の写し

〇 遺産分割協議書の写し

〇 相続人全員の印鑑登録証明書

〇 相続放棄受理証明書(相続放棄した相続人がいる場合)

〇 特別代理人選任の審判証明書(未成年の相続人がいる場合)

③ 不動産関係

相続財産に不動産がある場合、評価額の根拠となる書類が必要です。

〇 固定資産税評価証明書

〇 登記事項証明書

〇 公図・地積測量図

〇 名寄帳

〇 住宅地図

〇 賃貸借契約書(不動産を借りている場合)

④ 預貯金関係

〇 相続開始時点の残高証明書

〇 預貯金通帳又は取引明細

〇 既経過利息計算書

⑤ 有価証券関係

〇 相続開始時点の残高証明書

〇 配当金支払通知書

⑥ 生命保険関係

〇 生命保険支払通知書

〇 保険証書

〇 解約時返戻金がある場合、その内容が分かる書類

⑦ 葬儀費用関係

被相続人の葬儀に関する費用は、相続税から控除できます。

〇 お通夜、告別式、戒名料など、葬儀にかかった費用の領収書

〇 お布施や心づけなどの記録、メモ

⑧ 債務関係

被相続人の借入金やローンは相続税から控除できます。

また、被相続人が支払うはずだった税金や公共料金も、相続税の控除の対象になります。

〇 借入残高証明書

〇 金銭消費貸借契約書

〇 未納の税金の納税通知書

〇 未払いの医療費や公共料金の請求書

2 資料収集も含めて税理士へご相談ください

相続税申告するには、最低限、以上のような書類が必要です。

また、特例の適用を受ける場合は、以上に加えて、特例ごとに必要な書類を提出する必要があります。

このように、相続税申告には、幅広い範囲で多くの書類が必要になります。

相続税の申告が必要な場合、申告書を作ることだけでなく、必要な書類を効率的に集めることも含めて、早めに税理士にご相談されることをお勧めします。

相続税の過剰な支払いにご注意

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年7月31日

1 知らないうちに、相続税を払い過ぎている?

日本で身近な税金は、「あらかじめ税額が決められている」ケースが多くあります。

たとえば、消費税は商品を買う際に自動的に加算されているため、購入者が税金を計算することはありません。

また、会社勤めの方が支払う所得税や住民税等の税金も、給料から天引きされているため、自分で税金を計算することはありません。

このように、多くの方が税金の計算をすることなく、あらかじめ決められた税金を納めています。

しかし、相続税は、国や会社が税金の計算をしてくれるわけではありません。

納税者が自分で税金の計算をして納付することになります。

仮に、相続税を安くするための制度を使い忘れて、余分に相続税を納めても、税務署がその旨を指摘して、自動的に税金を返してくれるということはありません。

そのため、相続税は、知らず知らずのうちに過剰に払っている可能性があります。

2 土地の評価方法で見落としがあるケース

相続税の申告で、見落としやすいのが、土地の評価です。

仮に、土地の評価額を下げる特例を利用するなどして、土地の評価額が下がれば、遺産総額が下がり、結果的に相続税の負担が軽くなります。

たとえば、小規模宅地等の特例が適用される土地であれば、亡くなった人が居住していた宅地のうち、最大330平方メートルまで、評価額を80パーセント下げることができます。

この小規模宅地等の特例は、相続する物件に、亡くなった人と同居していたことが条件になりますが、仮に同居していなかったとしても、亡くなった人に配偶者がいなかったり、相続人が相続を開始する前に家を所有したことがなかったりすれば、小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

また、土地上に賃貸物件が建設された土地も、賃貸アパートやマンションが建設されていることで、土地の評価額が下がります。

一般的に、賃貸物件が建設された土地は、更地と比較して評価額が低くなります。

3 相続税を軽くする特例を見落としているケース

相続税を軽くするための特例は、数多くあります。

たとえば、配偶者が遺産を相続した場合、1億6000万円までは相続税がかからないという特例があります。

他にも、相続人が未成年者だった場合や、障害者だった場合は、相続税の負担が軽くなります。

このような相続税の負担を軽くするための特例を漏れなく使わないと、余計な税金を払うことになります。

4 相続税に強い税理士に相談しましょう

税理士にも得意分野というものがあり、相続税を得意とする税理士と、あまり相続税を扱っていない税理士います。

相続税に慣れていない税理士が相続税の申告をすると、うっかり相続税の負担を軽くするための制度を見落としてしまうかもしれません。

相続税の相談をする際は、相続税に強い税理士に相談することが大切です。

相続税に関する代表的な特例

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年4月17日

1 相続税の負担を軽くするための特例

相続税には、様々な理由から負担を軽くするための特例が用意されています。

せっかく用意された制度である以上、使わないともったいないと言えるでしょう。

そこで、今回は相続税に関する代表的な特例についてご説明します。

2 土地の評価額を下げる小規模宅地等の特例

被相続人が住んでいた自宅を相続する場合、一定の条件を満たせば、その土地の評価額を最大で8割減額することができる制度です。

一定の条件とは、その土地が既定の面積よりも小さい土地であること、その土地を相続するのが、既定で決められた範囲の相続人であることなどです。

また、被相続人が、事業のために使っていた土地や、不動産貸付業のために使っていた土地についても、評価額を下げることができる場合があります。

土地の評価額を下げることができれば、その分遺産総額が少ないということになり、相続税が軽くなります。

例えば、1000万円の土地の評価額を8割下げることができれば、その土地は相続税申告上200万円の財産ということになり、遺産が800万円減少したのと同じ効果があります。

3 配偶者の税金負担を軽くする配偶者控除

配偶者が遺産を相続した場合、1億6000万円まで、もしくは法定相続分のどちらか高い方まで、税金の控除を受けることができます。

つまり、配偶者が遺産を相続しても、多くのケースで相続税が0円になる場合があるということです。

ただし、その配偶者が亡くなった時に、配偶者の相続人が支払う相続税が跳ね上がる可能性があるので、注意が必要です。

4 その他の制度については、税理士にご相談を

上記2つが、相続税の負担を大きく軽減する制度の代表例といえます。

上記2つ以外にも、様々な制度が用意されています。

例えば、相続人の中に未成年者がいる場合や、障害者がいる場合は、相続税の負担を軽くするための制度があります。

また、父親が亡くなってすぐに、母親が亡くなってしまった場合に相続税の負担を軽減するための制度もあります。

他方で、遺産を渡す相手によっては、相続税が2割加算されるという制度もあります。

このように、相続税は様々な制度を把握した上で、申告をしなければなりません。

ご自身でこれらの制度を調べ、把握した上で申告を行うというのは簡単なことではないかと思われますので、相続税申告でお悩みの方は、一度税理士にご相談ください。

相続税について不動産評価に強い税理士に相談した方がよい理由

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年1月12日

1 相続税における不動産評価

相続財産のうち、価値として大きな部分を占めるのは不動産です。

不動産は、預貯金などと違い、常に一定の価値を保っているわけではありません。

ですので、相続税の申告をする際に、相続財産となる不動産の価値がどれだけあるのかという不動産評価が必要になります。

2 相続税評価に強い税理士とは

不動産評価は特に難易度が高く、複雑です。

そもそも、土地の評価方法からして、路線価方式と倍率方式があります。

また、土地を賃貸アパートの敷地として利用していた場合は貸家建付地として相続税評価額の評価が下がるかどうかが問題となりますし、土地が被相続人の居宅の敷地として利用されていた場合は、小規模宅地等の特例の適用が問題となります。

さらに、建物も、アパートの一室であるときは相続税評価額が下がるかどうかが問題となります。

不動産評価については、国税庁からさまざまな通達が出されており、その通達が適用されるかどうかについて、相続税評価額が大きく変わる可能性があり、その結果、相続税の納税額も数百万円単位で大きく変わる可能性があります。

もし、相続税評価に誤りがあると、相続税評価額を過大に評価することになり、その結果として、相続税を過大に納税することになります。

他方、相続税評価額を過小評価して相続税を過小に納税した場合は、税務署による税務調査を受けることになり、その結果として、追徴課税を受けることも考えられます。

不動産評価に強い税理士とは、相談者にそのような不利益を負わせることがないように、不動産評価に精通し、適切な不動産評価をすることができる税理士にほかなりません。

3 不動産評価に強い税理士へご相談を

以上のとおり、相続財産の中に不動産がある場合、不動産評価に精通していない税理士の場合、不動産評価が不適切になり、相続税の申告、納税も不適切なものになる可能性があります。

不動産を相続されることになれば、相続税を専門とした、不動産評価に精通した税理士にご相談されることをお勧めします。

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