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相続税対策として遺言を作成しておくことのメリット
1 遺産分割協議が不要になります
遺言は、遺言者の意思によって、財産を誰が相続するか決められることになります。
ですので、遺言があれば、相続税申告にあたって、遺産分割協議をする必要はありません。
遺産分割協議は、ご家族の間での話し合いで決着がつく場合は、1日で終わることもありますし、何か月にも及ぶ長期間を要することもあります。
遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所による調停という手続によって解決することになります。
調停は、半年や1年以上かかることもよくあります。
また、調停もまとまらない場合は、家庭裁判所による審判という手続で、裁判官が結論を出すことになります。
審判になる場合は、遺産分割協議も調停もまとまらない場合であるので、相当な長期間を要することになります。
一方、相続税の申告期間は、通常、被相続人が亡くなられた日の翌日から10か月間です。
もし、遺産分割協議がまとまらない場合、相続税の申告期間を経過することになりかねません。
ですので、遺言を作成することの最大のメリットは、遺産分割協議をすることなく、相続税の申告ができることにあります。
2 相続税の納税資金を準備することができます
相続する財産によっては、相続税の納税資金を準備する必要があるものがあります。
例えば、不動産を複数相続することになった場合、不動産はすぐにお金に換えることはできないので、相続税の納税資金が足りなくなってしまう可能性があります。
この場合、遺言によって相続税の納税資金を準備しておくことにより、相続税の納税資金が足りなくなる危険性を回避しておくことができます。
例えば、不動産と併せて預貯金や債券、株式等の金融資産を相続させる遺言を作成しておく、遺言の際、不動産を引き継ぐ相手を分散させておくなどが考えられます。
また、遺言とは別ではありますが、死亡保険金の受取人を指定して、遺言により不動産を相続することになる人に指定しておくことによっても、相続税の納税資金を用意しておくことができます。