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上手な贈与の利用方法

  • 文責:所長 税理士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年10月18日

1 亡くなった時の税金の計算方法

例えば、お父さんが7000万円の預貯金を残して、亡くなったとします。

相続に関する税金すなわち相続税は、亡くなった時に所有していた財産に対して、課税されます。

相続税の課税対象財産について詳しくは、こちらをご覧ください。

そのため、お父さんが亡くなった時に7000万円を残していた場合、この7000万円という数字を基準に、税金を計算していきます。

仮に、お父さんが預貯金以外に、2000万円の不動産も所有していた場合、預貯金7000万円と合わせた9000万円が、税金の計算の基準になります。

相続税は、遺産額が多ければ多いほど、高くなっていくため、節税対策を考える上では、いかに財産を減らすことができるかが大切になってきます。

2 生前贈与をすることで相続税を軽減できる

では、お父さんが元気なうちに、ご家族に対して、生前贈与していった場合はどうなるでしょうか。

例えば、長男、二男に対して、毎年100万円ずつ贈与すれば、お父さんの財産は毎年200万円減っていくことになります。

もし、この贈与を10年続けた時点でお父さんが亡くなった場合、お父さんの遺産は2000万円減った状態になり、相続時に発生する税金も軽くなります。

3 相続税が0円になる可能性もある

例えば、お父さんが長男と二男だけでなく、長男と二男の妻にも毎年100万円贈与すれば、毎年合計400万円財産を減らすことができます。

さらに、長男と二男の子(お父さんにとっての孫)が合計4人いれば、長男夫婦と二男夫婦を合わせて、毎年合計8人に100万円ずつ贈与することができます。

その結果、毎年800万円財産を減らすことができます。

このように、上手く生前贈与を使えば、相続税を0円にすることも不可能ではありません。

4 生前贈与には落とし穴もある

しかし、対策が不十分な生前贈与は、税務署が贈与と認めてくれないことがあります。

例えば、お父さんが長男名義の口座に毎年100万円ずつ入金していたものの、その通帳やキャッシュカードはお父さんが管理していて、長男はその口座の存在さえ知らないというケースでは、贈与が否定される可能性が高くなります。

また、「今後10年間、毎年100万円を贈与する」というようなケースだと、最初の年に1000万円を贈与されたとみなされ、贈与税が課せられることがあります。

参考リンク:国税庁・贈与税がかかる場合

このように、生前贈与には落とし穴がたくさんありますので、生前贈与をする場合は、税理士に相談することをおすすめします。

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