「相続税の制度」に関するお役立ち情報
他の相続人が相続税を払わないとどうなるか
1 連帯納付義務
相続税の申告を無事に終え、自分に課税される分の相続税を納税したとしても、それだけでは安心できません。
自分以外にも同じ被相続人から財産を取得した相続人がいる場合、その相続人が相続税を納付していないと、その未払分について、他の相続人が支払義務を負うことがあります。
これを連帯納付義務といいます。
ただし、未納分全額について支払義務を負うわけではなく、自分自身が相続で受けた利益の限度でのみ、未納分の支払義務を負います。
そもそも、相続放棄をすれば、連帯納税義務を免れることができます。
その場合は、原則として相続が開始したことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所へ相続放棄を申し立てる手続をすることが必要になります。
2 連帯納付の流れ
他の相続人が納期限までに支払をしない場合、まずはその相続人に対し督促がされます。
督促後もその相続人が支払いをしない場合、連帯納付義務者である相続人に対して「完納がされていない」という通知が届きます。
その後もまだ本来の支払義務のある相続人が相続税の支払いをしない場合、連帯納付義務者である相続人に対して支払を求める納付通知書が送られます。
連帯納付義務者である相続人が納付通知書を受け取ってから2か月を過ぎても支払いをしない場合、更に連帯納付義務者である相続人に対して督促がされます。
3 利子税と延滞税
連帯納付義務の場合、納税すべき期限が定められるため、期限を過ぎると税額が増えてしまいます。
その場合に加算される税は「利子税」と「延滞税」です。
利子税は、未納分の相続税に対し、遅れた日数に応じて支払うものです。
連帯納付義務の場合は、連帯納付義務者に督促状が届いた日(納付基準日)からカウントされます。
利子税の税率はその年により変わります。
さらに、納付基準日から2か月を経過しても完納できないと、延滞税が適用されます。
延滞税は利子税と同じく、遅れた日数に応じて課せられるものですが、税率が高い点に注意が必要です。
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