所得税の計算方法
1 所得税とはそもそも何か
所得税という言葉自体は、多くの方が聞いたことがあると思います。
所得税は、文字どおり、「所得を得た人」が負担する税金です。
例えば会社に勤めている方の場合、会社から支給される給料が所得税の課税対象になります。
個人事業主の方が稼いだお金も、所得税の課税対象です。
※参考リンク:財務省・身近な税「所得税について教えてください。」
2 どんなものが「所得」になるのか
何らかの利益を得た場合に、それらすべてが「所得」になるわけではありません。
たとえば、親が子にお金を贈与しても、それは「所得」ではないため、所得税は課税されません(贈与税の対象にはなります)。
税法上、「所得」とは、上記の例にもあった、給与などの他にも、不動産・株式などの資産を売却した場合の「譲渡所得」、不動産を貸して賃料を得た場合の「不動産所得」など、全部で10種類あります。
※参考リンク:国税庁・所得税のしくみ
3 所得税の計算方法
所得税を計算する場合、まず「課税所得金額」を求める必要があります。
所得は、全額に対して課税されるわけではなく、所得から、「所得控除」と呼ばれるものを差し引くことが認められています。
たとえば、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除などがあります。
所得から、これらの項目を控除した金額について、税率をかけます。
税率は、5%から45%の7段階に分かれています。
※参考リンク:国税庁・所得税の税率
4 所得税の計算例
所得税は、超過累進課税率と呼ばれる制度を採用しており、所得が多くなればなるほど所得税の負担が上がっていく仕組みになっています。
たとえば、課税所得金額が650万円の方の所得税を計算してみます。
課税所得金額のうち、195万円までの税率は5%なので、この部分の所得税は9万7500円です。
課税所得金額のうち、195万円から330万円までの135万円については、税率が10%なので、この部分の所得税は13万5000円です。
課税所得金額のうち330万円から650万円までの320万円 については、税率が20%なので、この部分の所得税は64万円です。
そのため、課税所得金額が650万円の方は、9万7500円+13万5000円+64万円を合算した、87万2500円が所得税額になります。